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1 テレワークにかかるコストの疑問
パソコン機器に通信費?
経営計画としてテレワークの導入に踏みきった場合には、十分な検討を重ねたうえ、課題に対する対応をも視野に入れてテレワークをスタイルの業務に突入しているので大丈夫かと思います。
しかし、地震、台風、感染症の蔓延などの緊急事態に対する急ぎの対策としてテレワークスタイルに突入した場合には、テレワークに対する検討や対策があまりできていないかもしれません。
御社はどうでしょうか。
そんな中、テレワークを始めると労働者から疑念になるのが、
「在宅勤務で使うパソコン、通信機器、ネット環境などにかかる費用で会社のコストじゃないの?」
というものです。
当たり前の疑問ではあります。自宅といえども、業務を遂行しているためにかかる費用なわけです。
しかし、一方で、企業からみれば、
「そんなこといったって、自宅である以上、プライベートにかかった費用と業務にかかった費用なんて区分できないし・・」
と思うものです。
これもまた、当たり前の疑問です。
2 テレワークで発生する費用
負担をどうすれば・・
ざっと、テレワークで発生する費用をあげてみます。
✅テレワークに要する通信費
たとえば、wi-fi環境を整備して毎月5000円かかる、スマートフォンの通話料が増えた、プロバイダーに加入して毎月3000円かかる、office365に加入して毎月1200円かかるなどが考えられるところです。
✅情報通信機器等の費用
たとえば、パソコンを購入して20万円かかった、Wi-fi機器が3000円した、オンライン会議用にタブレットを購入して費用が発生したなどが考えられます。
✅サテライトオフィスの利用にかかる費用
たとえば、賃貸で借りているオフィスに出勤して業務をするが、通品費のほかにも電気代や水道代などが発生する。
✅出勤する際の交通費
週のうち4日は在宅勤務でテレワークだが、1日は出勤するので交通費が発生する。
✅業務用の作業用品の費用
たとえば、在宅勤務時の業務で使用するボールペン、マウスなど文具用品やOA用品などが考えられます。
✅郵送費用
オフィスに出勤しませんので、やりとりはメールやビジネス・チャットなどが多用されるかと思いますが、書類や資料などを郵送する場面も少なからずあるかと思います。
よくよく考えてみるとこうした細かい費用を会社と労働者がどう負担するかが業務を行ううえですっきりしていないと、業務スピードが低下する、ミスが増える、志気が低下する、能力を発揮していないなどの諸症状になって現れる可能性があります。
コスト負担の問題は、最も敏感に影響します。
3 テレワークに係るコスト負担の考え方
話し合いで決めましょう
後々揉めないためにも、労使で話し合って決定しておくことに尽きます。あくまでも、合意しておくことが重要になります。
良くないのは、会社が一方的に決めてしまうことです。100%会社負担なのであれば決めてしまっても苦情にはならないと考えられますが、そうでない場合には、何らかの不信感となってしまうので注意が必要です。
★費用負担を決める際のポイント
㋐会社と従業員、どちらがどれくらい負担するのか。
㋑会社が負担する場合、100%か、上限を設けるか。
㋒従業員が負担する場合、100%か、上限を設けるか。
㋓費用の支払い実績に応じて支給する場合、請求方法はどうするか。
㋔費用項目ごとに会社負担と従業員負担を分けていくか。
㋕毎月手当で定額支給してはどうか。
など考え方は様々です。
労務の世界は、何かと就業規則が関係してきますが、従業員に情報通信機器、作業用品などの費用を負担させることに決めた場合には、その内容について、就業規則に規定する必要があります(労働基準法第89条第5号)。
テレワークのコスト負担の問題は、金銭が直接関係しますので、きちんと決めておくことが需要です。その過程では、従業員と話し合い、社内で説明してインフォメーションをしっかり行っておくことが肝要です。
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