人事評価制度で起きやすいエラーとは

人事評価が偏ったものになったりして公正・適切に行われないことが多くあります。

すっかり知られるところとなっていますので、人事評価の行為におけるエラーについてはご存知の方も多いと思います。

有名なものばかりなので、あらためて確認する意味でみていただければと思います。

人事評価エラーは、大した問題ではないと意識されていないことが多いのですが、場合によっては大きな法律問題になります。

人事評価制度が公正にできあがっていても、人事評価の方法や運用に問題があった場合は、公正に人事評価がなされたとは言えない場合もあるため、大きな労務リスクとなるのです。

学歴・技能・資格などの特徴的な事柄に影響されてしまい、実際よりも高い評価を付けてしまうことです。

評価される従業員に私的な感情が影響してしまい、評価が主観的になるため、感情により評価が変化することです。

悪い評価をつけて何か変に思われたくないから、あるいは、よくわからないからと極端な評価を避けるために、平均値の評価にしてしまうことです。

評価する項目の意味や対象などが異なっているのに、同一視して評価してしまうことです。

たとえば、遅刻があるだけで、業務貢献度を低く評価したり、人に明るく挨拶しコミュニケーションをとるから、協調性を高く評価したりするなどです。

評価対象の全期間をみて評価しなければいけないのに、評価する直近の事柄に影響されて評価してしまうことです。

評価基準があるのに、評価基準を踏まえずに、評価する人の基準で評価してしまうことです。

もし、これらのいずれかがみられる場合には、人事評価の運用における公正性の点で問題になります。それ以上に、評価された従業員からは「納得行かない」との声が寄せられる原因にもなり得ます。

このテーマは、人事評価制度がいかなるものかに関するものではなく、評価行為や評価制度の運用に関わるものになります。その点で、どんなにきちとんとした評価制度かということは別なテーマになります。

もちろん、評価者訓練を実施することも意味がありますが、ポイントになるのは、いかに決定している評価基準に沿って、いかに評価期間全体に対して、いかに感情を抜きに事実をみて評価できるかになります。