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そもそも「始末書」の意味・位置づけは
➡ 始末書の提出は、
㋐非違行為を確認して使用者に謝罪の意思を表明すること
㋑将来は非違行為を繰り返さないことを誓約すること
㋒これらを書面で認めさせて提出させること
が主とした意味になります【丸十東鋼運輸倉庫事件・大阪地堺支決昭53.1.11労判304号61頁】。
➡ 「始末書」は、労働者の良心、思想、信条等と微妙にかかわる内的意思の表白を求めるもの【丸十東鋼運輸倉庫事件】。
➡ まず、始末書は、就業規則の懲戒処分の規定にしか登場しないと考えられます。
就業規則がある場合は、実際に、御社の懲戒処分の規定を見てみてください。
「始末書を書け」は業務命令だから労働者に強制できるか?
㋐始末書の提出命令は、懲戒処分を実施するための命令
㋑使用者の業務命令の範疇に属するものとはいい難い
㋒始末書の強制は個人の尊重という法理念に反する
との考えも見られます【中央タクシー事件・徳島地判平10.10.16労判755号38頁】。
使用者は、上記の始末書の意味などを説明する義務まではありません。
どうしたらいい
➡ 就業規則の懲戒処分規定をよくよく確認する。
➡ 労働者の行為内容を検討し懲戒処分の対象となり得るか確認する。
➡ 当たる場合、どの段階の懲戒処分の対象か、その理由などをちんとする。
➡ 懲戒処分に当たり、理由も明確である場合は、説明のうえ始末書の提出を求める。
➡ これらが明確である場合、幾度か提出を促す行為を行う。
邪道と言い得る方法は様々ですが、筋道はこうなるかと思います。
補足:懲戒処分の対象となり得るか否かが柱。
懲戒処分の対象になり得ない場合は、注意・指導に留めた方がいい可能性があります。
重要:そもそも就業規則がない ➡ 貴社に懲戒処分をする権利がないことになります。
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