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退職時における退職理由のトラブルが多発しています。問題となるのは、企業側は「一身上の都合」と考えている退職理由でも、労働者は「一身上の都合ではない」と考えている、あるいは、そのように受け止めている場合です。いわゆる自己都合問題です。

 

1 なぜこのような問題になるのか

そもそも、企業側は、解雇あるいは、解雇と退職勧奨以外はすべて一身上の都合と考えていることが端緒になっています。中には、解雇以外は一身上の都合だと理解している企業もあります。

 

企業側からしますと、解雇、退職勧奨、一身上の都合の3つしか退職の括りがないようです。ある企業では、「解雇・懲戒解雇・一身上の都合の3つしかないいいんだ」と従業員に言っているところもありました。現に、そのように「3つしかないんだ」と労働者に主張する企業も少なくありません。加えて、一身上の都合=自己都合という図式で考えてしまうことです。

 

一身上の都合は自己都合であることは正しいのですが、自己都合は一身上の都合だけではありません。したがいまして、いかなる時でも、自己都合=一身上の都合という等式が成立するわけではありません。退職理由はそのように一言で済むほど簡単には組みあがっていません。

 

一方、労働者は、自分が退職する理由は、一身上の都合ではない。パワハラなど会社の環境に原因があるからだ、あるいは、会社が不当に減額をしたからだ、不当な配置転換を行ったからだなどと主張したいのです。そう、自分から「辞めます」と通知したとしてもです。

 

もちろん、今、このページ上では、どちらの言い分が正しい、間違いということを言っているのではなく、このような箇所で短絡的に処理してしまうと労働問題を生んでしまうということを言いたいだけです。

 

労務リスクが生じると考えられる自己都合退職問題の例をいくつかあげておきます。

例1)    パワハラが酷く、正常に勤務できなくなり就労困難さから、退職の意思表示をして辞めた。

例2)    セクハラを受けたため、怖くて、気持ち悪くて出社できなくなった。そのことが原因で精神疾患を発症し、退職の意思表示をして辞めた。

例3)    80時間、100時間の長時間労働の月が、1年続いたことから、耐えられなくなり退職の意思表示をして辞めた。

例4)    賃金が未払いの月があり、支払いを催促しても会社が支払わなかったために、退職の意思表示をして辞めた。

例5)    会社が、違法な行為を行っていることで、安心して働けないし恐怖心から退職の意思表示をして辞めた。

例6)    会社が、「退職を考えてくれないか」、「このまま仕事を継続することは難しい」、「〇〇に異動するか、辞めるか決めてほしい」といったことを話したところ、退職の意思表示をして辞めた。

例7)    労使がもめて、最終的に示談となり、合意文書の条項に、すぐに失業給付がもらえるように「会社都合」にした。

 

例をあげますとたくさんありますが、ざっと主なものにとどめます。これらのポイントは、労働者が退職の意思決定をしているものの、意思決定するに至った理由は、労働者の個人的事情ではないことにあることです。すべて、退職に至った理由がすべて職場にあることです。ここが、自己都合退職問題の急所です。

 

これら自己都合問題のリスクはどこにあるのかといいますと、“労働者が自分から辞めた”ということだけを捉えてしまう点です。その点に退職理由はなく、リスク管理の視点からは退職の意思表示と退職理由は別に考えておく必要があります。

 

2 退職理由は失業給付に影響する

多くの企業が、退職理由を会社都合か一身上の都合かの2択で考えています。解雇か退職勧奨が会社都合で、それに該当しなければすべて一身上の都合だとしています。一身上の都合は自己都合のことだととらえています。ここに落とし穴があります。

 

何が落とし穴かといいますと、雇用保険の失業給付の受給資格(失業手当などをもらえる権利の有無など)の認定においても、そもそも、雇用保険法上の離職理由の区分も、会社都合か一身上の都合(俗にいう自己都合に括られていると思われている)の2種類で構成されているわけではないのです。ここが落とし穴です。雇用保険法の離職理由で思考されていないことが退職理由でもめた際に、労使で話が合わない原因になっています。

 

そのことを確認できる資料として、企業では、労働者が退職すると離職票(12枚目は「離職証明書」)の交付手続きを行うかと思います。緑色のA3サイズの様式です。この様式の右側に離職理由が並んでいます。どのような理由が並んでいるか、上から下まですべて読んでみたことはあるでしょうか。

 

すくなくとも、「会社都合」「自己都合」という文字は一文字もありません。ここから認識する必要があります。そのような2択で構成されているわけではないのです。この点を認識しておかないことが、退職理由の労務リスクになるところです。

 

厚生労働省の資料では、離職票に記載している退職理由は、使用者にわかりやすいように表現したものと説明していますので、雇用保険法に基づく退職理由の構成とは異なるものです。

 

問題になっているのは、退職理由ですから、なぜ辞めるのか、その理由を知る必要があります。したがいまして、退職理由の確認作業が求められます。多くの企業では、理由を確認する作業はなされずに、退職届や退職願が提出されることで自己都合という感覚があるようです。

 

ここにもめごとの火種となる労務リスクが生じることになります。退職理由は失業給付の日数などに影響してくることになります。

 

3 雇用保険法における退職理由

 雇用保険法では、ざっくりとした大きな括りでは、➀特定受給資格者、②特定理由離職者、③➀と②以外となります。とは言ってもピンとこないかと思いますので、もう少しかみ砕きます。

 

➀特定受給資格者

 退職する余裕がなく退職したケース、退職せざるを得なかった場合になります。交通店は、退職理由として職場の側にある理由が属します。労働者の個人的理由はここには属さないと考えていいかと思います。

 

②特定理由離職者

 特定受給資格者以外で、㋐有期雇用契約が更新拒絶されたケース、㋑個人的事情の理由ではあるが、やむを得ない理由(正当な理由)があるケースがここに属します。大きな構成では、一般的言葉でいう「自己都合」ですが、正当な理由と認定できるか否かで異なってきます。

 

③その他

 特定受給資格者や特定理由離職者のどちらにも属さない、典型的には、懲戒解雇や一身上の都合がここに属します。

 

詳細な点までご案内しますと複雑でありますし、ボリューム的にもサイト上で記載するのは困難ですので、個別にご相談を申し込んでいただければ、客観的な資料を示しながらご説明させていただきます。

 

4 離職理由と失業給付との関係

 3で示しました㋐特定受給資格者や㋑特定理由離職者、㋒そのほかの構成は失業給付に影響する構成になります。

 

失業給付の制度では受給資格区分の退職理由の構成とは別に、失業給付が支給停止になるか否かの離職理由の構成が雇用保険法で定められています。

 

㋐特定受給資格者と㋑特定理由離職者に属する理由による離職ですと、このページを執筆している時点では失業給付の支給停止にかかりません(ただし、将来、変更される可能性あり)。

 

一身上の都合で結論づけられると失業給付が支給停止されることは有名ですから、一身上の都合は㋐や㋑ではないというのは自明です。つまり、㋒そのほかに属する、懲戒解雇や一身上の都合は失業給付3か月の支給停止にかかることになります。

 

労働問題に向き合っていますと、「失業給付がすぐにもらえるように解雇にしてあげるよ」との処理にすることがあります。ここも解雇だけがすぐに失業給付がもらえる退職理由であるとの間違った認識に基づくものかと思われます。

 

5 離職理由と国民健康保険の関係

 大変恐縮ですが、おそらくほとんどの企業では、離職者の失業給付と国民健康保険の関係について、考えたことはないのではないかと推察いたします。

「そんなの知るか!」との声が聞こえてきそうですが、ここでなぜ触れるかといいますと、離職理由の異議申立や問題化に付随して、労働者から異議申立がなされるリスクが高いからです。

 

なぜ付随して問題化するのか。それは、退職後に健康保険から国民健康保険に切り替えた際にかかってくる国民健康料に密接に関係しているからです。国民健康保険料は、離職理由により、各自治体で保険料の減額措置の制度があります。

 

それを決定する基準が、「特定受給資格者か特定理由離職者の理由で退職して基本手当(失業給付)を受けられること」なのです。ここでも、退職理由が大きく関わってきます。つまり、懲戒解雇や一身上の都合というその他の括りの理由では減額措置が受けられないのです。ここを知ったときに離職者との間で退職理由の問題となって浮上します。

 

厚生労働省もきちんとした形で企業サイドに説明等を行っていませんので、知らないこともやむを得ないかもしれません。しかし、知らないこととはいえ、問題化するからやっかいなことになります。問題化した際は、企業側は知識として知りませんから、もめごとになるわけです。

 

6 事実通りに詳細に退職理由の処理をする

 ここまでみてきましたが、もうおわかりかと思います。退職の場面で労働者に感情的なシコリを残さないように退職してもらうことにつきます。その中でも大きなテーマが退職理由です。

 

会社都合・自己都合の2択で話していると、思考していると全くみえてきません。企業も労働者も当事者はそのような大きな括りでみるのではなく、どうして退職するのかを詳細に確認するだけで十分なのです。それが退職理由です。

 

従いまして、退職届を提出させるルールがある場合には、「〇〇都合」ではわかりませんので、詳細な理由を書いてもらうことが間違いないかと思われます。

 

 

 

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