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首都圏中央社労士事務所

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◆小さい会社の就業規則

 

1 小さい会社は簡単な就業規則でいいか

就業規則につきましては、大企業にはしっかりしたものが必要だが、中小企業、あるいは、小規模企業には、簡単なものでいいとイメージされる、思い込みしている場合が多いようです。簡易版就業規則とも呼んでいますが・・・・。

 

結論を先にお伝えしますと、小さな会社でも、大きい会社でも、就業規則や賃金規程のグレードはほとんどかわりません。というか、相違がないと言ってもいいと思います。当事務所の業務経験からも言えると考えています。

 

もし違いが生じるとすれば、それは業種・業態によるものによる違いです。例えば、運送事業所と介護事業所では、当然ながら、規定する内容はまったく違うものになります。労働時間や休日、従業員勤務ローテーションなどすべてが違ってきます。

 

企業規模による違いはない、「そんなことない」とピンとこないかもしれません。たとえば、次のようなよくある労務の場面を考えてみましょう。

 

 ⓵上司に口答えばかりして、独自の考えを言い、ほとんど指示に従おうとしない従業員Cがいる。何回か注意・指導し、方向を与え導こうとしたが、受け入れる姿勢はみあたらない。業務で関係する他の従業員からも、伝えた通りやってくれなくて仕事の進行がしにくいとの苦情が増加するばかりです。これまでかなり指導を試みたものの、今後の改善の見込みも見込めないというところまで評価が至っています。

 

 → こうした従業員を解雇にしていいかどうかという法的判断はここでは置いておきまして、会社が就業規則の条項のあてはめを検討しようとした場合には、就業規則を開いて、該当する条項を探り(複数ある場合はすべてあたりをつけます)、Cに対して条項を適用させるという行為になります。

 

さて、上記のようなケーズは労務のほんの一コマにすぎませんが、従業員3人の企業の中のCでも、従業員400人の会社のCでも、Cという一人の従業員にあてはめるのに、違いはありません。

 

その点でこの例で言いますと、解雇の規定、いわゆる、いかなる場合に解雇に当てはまるかを具体的に条文にしておく必要があります。ここに企業の大小は関係しません。

 

どのような場合に、解雇にするかについては、企業判断に相違はあっても、解雇規定を検討し、あてはめることになる行為に違いがない以上、「規模が小さいから解雇規定や服務規定は簡単なものでいい」と考えるのは、労務リスクがかなり生じることになり、いざとうときに、あてはめの根拠が弱いとか、根拠が欠如しているなどの評価になりやすくなってしまうのです。

 

2 小さい会社の就業規則は数ページ程度でもいいか

 これもよく言われることですが、規模が小さいと、漠然とした就業規則のボリューム的なものも、数ページでいいと思い込まれているケースが多くあります。確かにわからなくもありません。

 

 しかし、就業規則の適用の範囲、年・月・週・日の定め、採用に関する規定、試用期間に関する規定、服務規定、労働時間の規定、年次有給休暇の規定、解雇規定、懲戒処分の規定、損害賠償の規定、競業避止義務規定、健康診断の規定、定年・雇用継続などの規定、そのほか福利厚生の規定、給与に関する規定など、できるだけあてはめが可能となるように、実態と将来の状況を加味してきめ細かく規定する必要があります。

 

話が長くなりますので、詳細は実務に譲りますが、単に、労働時間や休日、解雇、給与を規定すればいいという簡単なものではないのです。ここでは、そのことをお伝えしておきたいのです。

 

まだ、ピンとこないといった状況でもかまいません。ぜひ、一度、ご相談いただければと思います。

 

これに付随した話に、「ひな形レベルの就業規則でいいんだ」「就業規則なんかネットに一杯ころがっている」「厚生労働省もモデル就業規則を公開している」などがあります。俗にいう「既製品の就業規則」です。

 

当事務所は、それらが絶対ダメだというつもりはありません。しかし、あくまで当事務所の場合ですが、これまで実務をやっていて、それらが依頼を受けた際に、そのまま使用できた例は1件もありません。

 

既製品の就業規則は、その規則の規定そのものが、御社の発想で検討して作ったものではありませんので、使いやすくはありません。「使いやすい」とは、条項のあてはめやすさなど運用しやすいか、正しく運用できるベースになり得るかという問題です。

 

御社にとって、必要な条項がなかったり、なくてもいい条項やあってはならない条項があったり、条項の内容が甘かったりと不都合な条項、内容的にも不合理な条項も混在しています。

 

厚生労働省の就業規則は、網羅的ではあるのですが、行政レベルの基本的内容ですし、サンプルですので、いろいろな内容が記載されてしまっています。そして、司法の領域や法的な問題になった場合にどうかを考えますと、使用する場合にはカスタマイズが必要になると考えています。

 

また、厚生労働省の就業規則は、企業の参考になるようにとの趣旨から、すべてが規定されているバージョンですので、かなり削除したりしなくてはいけないため、専門的判断が必要な個所も多々あります。

 

新規で作成する場合でなくても、就業規則が現在、存在しているだが古い、手前みそで作ったもの、ひな形モデル・・・これらの場合、就業規則の全体に社会保険労務士の視点を通して評価を得ておくことをお勧めします。

 

就業規則の診断は有料になりますが、メールによる診断も受け付けております。

大切なことは、就業規則に魂を吹き込み、現状だけではなく、会社の将来像を描き、しっかりした運用に耐えうる就業規則、リスク対策に耐えうる就業規則にしたたてておくことです。

 

3 ”最低限の就業規則=簡易版の就業規則でいいいのではないか

 

その名の通り、就業規則のレベルの中で、内容を簡素化した就業規則の意味でよく聞きます。

企業規模が小さかったり、事業を始めてそんなにたっていないかったりなどから。安易に”簡易版で”、”簡単なもので”となりがちです。もちろん、当事務所でも作成しないわけではありませんが、ほとんど経営や労務管理の役に立たないだろうと思います。

 

就業規則はページ数や条文数が多いからしっかりしているというわけではありませんが、条文の表現や盛り込む内容をきちんとしておく必要があります。

 

ただし、専門家が作成した就業規則の中でも、一つ一つの条項が、ものすごく威圧的に雁字搦めになっているものをみかけることも少なくありません。そのような就業規則に出会う度に「誤解しているなあ」と感じてしまいます。

 

何か、何でも就業規則に頑固なまでに定めておけば、従業員に遵守させることができるし、強く命令もできるんだと言っているかのようです。しかし、このような就業規則は、時折、問題となります。作成段階ではリスクに気づいていないまま行っているのかと思われます。

 

たとえば、

「退職する場合、業務引継ぎを行なわない、または、完了しない場合には、年次有給休暇は消化できない」

「退職後は、同業他社への就職は禁止する」

との規定があった場合どうでしょうか?言葉などにすれば規定はできてしまうので、規定することは行為としてするわけですが、問題は内容です。なんでも規定して謳っておけばいいというわけではないのです。

 

ちなみに、この例は2つとも大きな労務リスクありです。専門家の中には、労務リスクがあることを認識できずに、何でも厳格に規定すればいいという式で作成していることも少なくありません。そんな就業規則を当事務所ではたくさん目にしています。

 

簡易版就業規則は、まじめに働く従業員が納得する仕組みの盛り込み度合が低かったり、労務リスク対応レベルが低かったりしますので、あまりお勧めはしませんが、次のようなご希望のある企業様には適しています。

就業規則は、会社の従業員一人ひとりに、適用し関係するものです。経営の規模は関係してきません。ちょうど、国が小さいから憲法は簡単なものでいいと言っているようなものになります。国の規模は関係ないかと思います。

◆「初めての就業規則で使いこなせるか心配なので、軽めに作っておきたい」

つまり、基本的な事項を規定した規則で把握して行って、労務管理や就業規則の運用がともなってきたら、就業規則の段階も精密内容にするなどしてバージョンアップしたいというものです。このような企業様向けのものとなります。

 
 
以下に簡易版の就業規則の特徴を記しておきます。これが絶対というものではありません。

 

 

 ◆全体の条文数を抑えたもので、条文の記述内容もシンプル化しているため、労務リスク対応度合いが低くなっています。

 

 ◆労働基準法に定められた就業規則としての必要記載事項はきちんと満たしていますので、労働基準監督署へ届け出ても通ります。

 

 ◆簡易版の就業規則の作成と言っても、作成過程では労務に強い特定社会保険労務士のコンサルティングを受けることができます。

 

 ◆簡易版の就業規則でも、トラブルになりやすい事項と関連条項、留意する点などのしっかりレクチャーもいたします。

 

 ◆本来であれば企業規模に関係なく必要なセクハラ防止対策などについては、必要最小限の記載にとどまっています。

 

 ◆企業規模に関係なく規定しておくべき、競業避止義務の対策等については含まれない可能性があります。

 

 ◆パワハラに関する規定は最低限のものになる可能性があります。

 

 ◆本来、しっかり規定すべき服務規定、遵守事項については、企業オリジナルの度合が低くなる可能性があります。

 

よく誤解されていることとしまして、就業規則作成段階で、労働基準監督署のみを意識して描いて作る企業があります。これは大きな間違いです。確かに、就業規則は、労基法で作成と届の義務がありますので、このように受け止められるのも無理はないかと思います。

 

でも、これは10人以上の企業に対する作成と届の義務を課しているにすぎません。それよりも大切なのは、就業規則が御社の労務管理やリスク対策・対応に役立つ内容になっているのかということです。この点は、各企業独自の労務に対する考え方や姿勢に直結する点ですので、労基署は関係ない世界になのです。

 

つまり、就業規則の法律上の義務と企業内の目的は全く別物です。そして、後者の意味合いで考えるときには、気づいている問題、気づいていない問題(ここは専門家の意見・知恵などを取り入れるべきと考えますが)を含めて、見り込む内容を相応に練って決定すべきです。

 

簡易版就業規則は、ヒヤリングを含めて1から3回程度の打ち合わせを行います。完成までの期間は、打ち合わせ期間にもよりますが、だいたい1か月から2か月を予定しております。

※「打ち合わせの時間はほとんど取れない」「2回も話をすればいいだろう」「聞いてくれれば俺は回答はすぐだ」などの場合には、誠に申し訳ありませんが、規定内容のヒヤリングや検討になりませんので、就業規則の作成に至らないと判断せざるを得ませんので、就業規則に関する業務をお受けすることはできません。

また、小規模企業の場合には、箇所箇所で経営者の考えかと決定を確認していくことが必要になります。経営者の方が事務員任せにされますと、規定打ち合わせや内容の決定ができないものが多くありますので、場合によっては、規定できないことがあります。

 

より良い就業規則の作成・運用を考えまして、なにとぞ、ご理解とご協力をお願いします。

 

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