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首都圏中央社労士事務所

 

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株式公開のための就業規則

1 株式公開(IPO)に問題となる労務コンプライアンス

 

次のようなことはありませんか?

㋐年俸制を導入していて、残業手当は支払っていない。

㋑年俸制の対象者には残業手当を支払っているが、通常賃金に含まれている。

㋒アルバイト・パートタイマーだからと社会保険に加入していない。

㋓管理職を理由に残業代を支給していない。

㋔残業代対象外の管理職に深夜手当を支払っていない。

㋕専門業務型裁量労働制を導入しているが、労使協定を作成していない。

㋖専門業務型裁量労働制を導入しているため残業代は支払っていない。

㋗外回りの営業担当者には、営業手当を支給し残業代は支給していない。

㋘テレワーク勤務の者に残業代を支給していない。

㋙在宅勤務などテレワークの者の労働時間管理が適切ではない。

㋚労働時間の管理は、すべて自己申告に任せている。

㋛フレックスタイム制を導入しているが労使協定を作成していない。

㋜変形労働時間制を採用しているが、就業規則や労使協定を作成していない。

㋝変形労働時間制対象者の日々の始業・終業時刻の指示時点で変形労働時間制が崩れている。

㋞残業代の計算は、8時間超えた時間だけで算出している。

㋟就業規則があるのでいいとしている。

㋠雇用保険の加入漏れはないが、加入日が入社3か月経過後である。

㋡社会保険に加入漏れはないが、加入日が入社3か月経過後である。

㋢外国人労働者を社会保険に加入させていない。

㋣昇給・降給等で賃金が数万円変更になっても社会保険の報酬月額変更を届けていない。

㋤職務・責任などにあまり差がない正社員と非正規労働者の待遇に差がある。

 

頻出しているものを挙げておりますが、これらは、株式公開でなくても問題なのですが、株式公開の際には、発覚すると大変なことになります。

 

株式公開の準備過程の中で、主幹事証券会社による引受審査や監査法人の会計監査で残業代の未払いがあるとの指摘を受けた場合、最悪の場合で、3年間(2020年4月から賃金請求時効が3年に)の未払賃金を負債計上することを要求されます場合があります。

 

この場合、金額が大きいため、株式公開を延期しなければならなくなることがあります。未払い残業代の支払い命令だけで済むのは、労働基準監督署対応での話で、株式公開の監査指摘においては、公開できなくなるリスクがあり、こちらの問題が大きくなります。

 

近年は、引受審査、上場審査の傾向として、過去3年(2年)に渡り、未払い残業代の有無についての調査要請をされることがあります。この場合の調査対象者は退職者を含めたものになります。

 

また、場合により、社会保険労務士などの外部の専門家の労務監査・労務審査・労務診断などの実施を求められることがあります。

 

では、株式公開のために就業規則ではどのような規定が必要になりでしょうか?

2 株式公開で必要になると考えられる規程等

 

㋐就業規則本則

㋑賃金規程(給与規程)

㋒旅費規程

㋓慶弔見舞金規程

㋔ストックオプション規程

㋕育児・介護休業規程

㋖そのほか、これらに付随する各種労使協定

 

ざっとあげますとこのような規程などが対象になってきます。いずれも、労務においては必須とされているものばかりです。

 

労務的には、決して別規程でなければいけないものではないのですが、内容や属性からみて、別規程として構成したほうが規定しやすく、変更手続きもやりやすいかと思われます。

 

さらに、就業規則では、ストック・オプションに関する規定が重要になります。何を注意すればいいのでしょうか?

3 ストック・オプションと就業規則

 

➀ストック・オプションとは

ストック・オプションは、会社が予め自社の株式の価格を設定します(権利行使価格)。取締役や従業員は、その価格で将来購入できるというものです。購入できる権利がストック・オプションです。

 

仕組みですが、ストック・オプションを付与された従業員などは、権利行使価格で企業から株式を購入し、この価格を上回る株価でその株式を売ることで利益を得ることになります。

 

ストック・オプションをなぜ行うのか、その目的やメリットは、企業業績が向上し、株価が上昇しますと従業員などが利益を得ることができるため、従業員などが、会社の業績を向上させようと意欲的になったり、仕事への士気を高めたりすることになります。また、人材確保の手段としても企業のアピールポイントになります。

 

②就業規則にストック・オプション規程を

このストック・オプションの内容をしっかり取り決めをして、規定を作成しておく必要があります。

 

ここでの規程は、規定するならばストック・オプションの制度を規定するという話です。商法においても、ストック・オプション制度の方式が複数ありますので、どのような方式を採用し、どのようにストック・オプション制度を行っていくのかなどを規定しておくべきと考えます。

 

法的にも、ストック・オプション制度から得られる利益は、労働条件の一部であり、制度を創設した場合には、労働基準法第89条第1項第10号の適用を受けるものとされ、就業規則に規定する義務があります。この考え方は揺るぎないものです。

 

参考 労働基準法第89条第1項第10号

 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 

③賃金規程に規定は必要か?

 

これは、労働基準法との関係を考える必要があります。考え方は以下のようになっています。

ストック・オプション制度で、権利付与をされた労働者が権利を行使するか否かは労働者が決定するものです。

 

また、権利行使をした場合に、権利行使の時期や株式売却時期をいつにするかも労働者が決定するものです。

 

したがいまして、制度の仕組みから、得られる利益は発生する時期・金額ともに労働者の判断によるため、労働の対価ではないとされています。よって、労働基準法11条の賃金に該当しないとなっています。

 以上からは、賃金でない以上、賃金規程に規定することが不適切な属性と言えます。

以上、このページではコンパクトにざっと記載しましたが、株式公開に向けた思考をする段階では、上記の労務リスクがないか監査する必要がありますし、就業規則などの規定が必須になります。

 

ご不明な点は、お問合せいただければと思います。また、株式公開に向けた就業規則という観点からも、「就業規則の診断」をお勧めしています。

 

また、労務上のリスク審査(監査)・診断につきましては、ある程度の期間を見る必要がありますので、契約締結のうえの対応となります。

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